2019年06月05日

ゼミ通ヒーローズvol.01

ゼミ通ロゴ新.png

京都造形芸術大学キャラクタ―デザイン学科のゲームゼミ、通称村上ゼミでのゲーム制作やゲーミフィケーション研究と真正面から向き合おうということで、学生とのインタビューを連載していきます。


ゼミ通ヒーローズ Vol.01 
「粟田恭一郎+吉田光希と卒業制作について語るの巻」



ゲームゼミのブログ企画として、これから不定期にゼミ生の活躍を後輩たちに、そして受験を考えている高校生に向けて学生の活躍を伝えるために「ゼミ通ヒーローズ」と題してインタビュー記事を連載していこうと思います。

第一回目となる今回は、今年度卒業制作にて学長賞を受賞した粟田恭一朗君と吉田光希さんの二人をピックアップし、制作の舞台裏や発想の仕方など、これからゲーム作りを学ぶ上で参考になりそうな話をたくさん引き出していこうと思います。

zemi01.jpg
卒業制作展会場での粟田恭一朗君

zemi02.jpg
2018年度優秀学生賞授賞式での吉田光希さん。

村上 というわけで始まりました、ゼミ通ヒーローズです。まずは卒業制作での学長賞授賞おめでとうございます。月並みではありますが、受賞の感想を一言。

粟田 素直に嬉しいんですけど、受賞のために頑張ったんじゃなくて、面白いものを作ろうとしたら賞がとれたという感じなので、未だに実感がないんですよね…。というか制作中に受賞のことは考えるなと何度も村上先生から言われてきたし、どのみち作業ボリュームがありすぎて賞の事なんか考える余裕が全くなかったですよ。

吉田 ゲーム作りってワークフローが複雑だしボリュームはあるし就活もあるし、とにかく完成させなきゃヤバい!という感覚でした。そもそも芸術大学でありながらゲーム作品で受賞ということが想像できなかったので最初から賞レースに参加している意識もなかったかな。でも、だからこそ自由に作れたって感じはあります。

村上 なるほど。では作品の話を聞きたいんだけど、そもそも今回の作品「カナンの塔」とは?

吉田 遊び方としては、単純に歯車を動かして主人公を迷路のゴールへ導くというパズルゲームです。主人公は歩く事しかできない頼りない子なので、ついつい手を差し伸べたくなる、という点を意識しました。

粟田 「万能感」というコンセプトを大事にしたゲームになってます。大きな歯車も小さなルーン君(主人公)も指一つで全て制御できる感覚を楽しんでもらいたくて。

zemi03.jpg
二人の卒業制作作品「カナンの塔」の一場面。歯車を回転させながら道を作り、主人公のルーンをゴールへ導くというパズルゲームになっている。

吉田 あと、意志を持たないキャラクターという点も大事にしました。最近のゲームのキャラクターは皆意思を持っていて、プレイヤーの思惑とは違う方向に独り歩きするものが多く、雑誌の紹介でもゲームシステムよりCV(声優)の名前の方が大きく宣伝されることが多いんですよね。でもここではあえてキャラクターを無個性にすることで「あなたが主人公になるんですよ」という意識を植え付けたかったんです。

村上 そんな中で、プリミティブな遊びを追及するという意味ではファミコン時代のゲームの在り方に戻った感じかな。本質を追及すると記号だけでも面白くなり得るっていう。それで、今回ゲームを作ってみて大変だったことって何?

粟田 最初みっちゃん(吉田)から二本指でタッチして歯車を回転させる企画をやりたいと言われた時は「死ぬな」と思いました(笑)。どう作ればいいのかさっぱり分からなくて。でも大学最後の作品だし、せっかくなので今までやったことのないインターフェース(操作性)に挑戦してみたかった、ということで腹をくくりました。
去年の二月の段階では画面全体が回転して、重力を考慮しながら道を開拓していく仕様だったんですけど、実際に動かしてみたらゲームの進行上致命的な設計ミスがあることに気付いて、四月に入ってから大きくインターフェースを変えました。

村上 部屋全体じゃなくて歯車を回すアイデアに変えたね。その後も形になるたびに散々ダメ出しがあって、何とかここに落ち着いた感じだったね。

粟田 (苦笑)

吉田 私は企画とビジュアルを担当したんですけど、作業量や自分たちの求めるクォリティの設定値を考えると、一つ一つ絵で描いていくのは現実的ではないと考えて、フォトバッシュ(イラストと写真を融合させる加工テクニック)を使う事にしました。
キャラデの先生って全員がゲームの専門家というわけではないので、プログラミングや仕様の面よりも、ビジュアルとかストーリーが評価対象になってしまうんじゃないかと思ったので、とにかくパッと見た感じのビジュアルの水準を上げておいて、一旦目を引き付けてから「面白い」と言ってもらえるような戦略を立てました。まずは見て「綺麗」と言っていただかないと触ってもらえないと思って。

村上 それって展示にも反映されてるよね。展示の大きさもビジュアルも含めて、まずは近くに寄ってもらわないと遊んでいただけないという感じで。

吉田 あと、お客様からすると、ゲームというだけで敷居が高く感じられがちなんですよね。「やったことがない。だからやらない」「難しそう」みたいな。中には「人が殴り合うだけでダメ」という人もいたり。
去年は「パコニカ!」というゲームを展示したんですけど、その時遊んでくれたお子さんのお母さんが「この子は普段ゲームをまったくしない。キャラ同士が戦うところを見るのも嫌だ。でもこれは安心して遊べますね」と言ってくれたのを思い出して、今回も傷つけあうような要素のないものを作ってみようと思いました。
キャラは前作に比べると不気味なんですけど、造形に尖った部分がないようにしてお花の柄を入れたりと、土偶的な感じで不格好だけどどこか愛されるキャラクターとしてデザインしました。
世界観が好きとかキャラクターがかわいいとか、設定資料集があったらほしいとお客様に言われて、初めて作品が自分の手を離れたというか、お客様に受け入れていただけたと実感して、作品が自己満足のものじゃなかったと安心しました。

村上 作ってる時は当然遊んでいただくことを想定してインターフェースを工夫するけど、実際に遊んでる人を見て感じるものってあった?

吉田 ダイヤルを捻るような直感的なインターフェースを重視したつもりだったんですけど、とにかく誰も説明書を見ないんですよ(笑)。言葉の少ないチュートリアルすらもスキップして「遊ばれへーん」と言ってたりするんですよね。

粟田 そういうところを見て初めて「まだやり残した所があったんじゃないか」とか「もっと親切で丁寧なUIが考えられたんじゃないか」とか、たくさん発見と反省点が出てきました。

村上 チュートリアルのアニメーションを作って見せるくらいのことをしなきゃダメなのかも知れないね。「遊ぶぞ!」っていう気持ちで遊ぶ人は良いんだけど、こういう展示会ってほとんどの人が通りすがりで少し触るだけだから。特にスマホ用のゲームだと「ながらプレイ」をするので、ぱっと見ただけで何をすればいいのかが分かるデザインにしないと受け入れられないんだよね。

粟田 はい、とにかく皆さんこちらが想定していないような触り方をしてくれるので(笑)、見ててヒヤヒヤしました。

村上 あらゆることを想定して設計しても予想外のことが起きるというのがゲームの世界だから、クリエーターには先読みの力がめちゃくちゃ求められるよね。パズルゲームでこれだけ苦労するんだから、アクションゲームを作ったらどんなに大変なことになるか(笑)

吉田 それは次に活かそ(笑)

粟田 あと、すごく恥ずかしい話なんですけど、みっちゃんの考えてることを実現してあげたくて頑張りました。

吉田 何それマジで!?

粟田 言葉だったりアイデアだったり表現力だったり、みっちゃんは本当に尊敬できる人なので、できるだけ「無理」と言わないようにしてました。実は裏で結構頑張ってたんですよ。

吉田 はいはい分かってますよ。あなたがいないと卒業できませんでしたよ(笑)。

山吉 (なぜか突然割り込んできたCGゼミの学生。いつも食事をねだってくる)ええ話やなー。

村上 普通、大学の四年生って、卒業制作と就職活動だけになるから、基本的には自宅で作業をして、ゼミのときだけ大学に来るってパターンが多いんだけど、君らは月〜金で朝から晩までずーっと大学にこもって作業してたよね。ネットさえ繋がっていればどこでも作業ができるにも関わらず毎日大学にいるっていうのが珍しい。

粟田 一人で作業をするとドキッとなる瞬間があるんですよ。本当にこれでいいのかなって。それで「また今度聞こう。今日はこれまで!」とかいって自分で妥協点を探して怠けてしまいそうだったんです。でも今回は二人の共同制作なので、いつでも質問し合える状況を作った方が良いんじゃないかということで、毎日来てました。

吉田 首を握り合ってるくらいが丁度いい(笑)。

粟田 だから我々のチーム名は「フレンドリィ・ファイアー・ファクトリィ」っていう、お互いに銃を向け合ってるような名前にしたんです。

zemi04.jpg
卒展講評会での粟田恭一朗(左)と吉田光希さん(右)

村上 ちょっと話は変わるけど、一年生の頃にやっていた「発想構想演習」の授業でも、わりと二人は目立ってたよね。

吉田 わー懐かしい(笑)。

村上 このお題からよくこんなアイデアをひねり出したな、と毎回驚かされた記憶があるんだけど、そもそも発想の原点って何?なんであんなに次から次へと面白いアイデアが浮かんでくるの?

粟田 例えば、横断歩道を渡る時に白い線を外さないように歩くとか、あれって白線の上にいるのが楽しいんじゃなくて、白線以外は危険だと思ってたからだと思うんです。もしかしたらものすごく高い所にあって白線だけが足場になってるとか、黒いところを踏むとサメが出てきて食われるとか。子供の時からそういう気持ちで道を歩いてたんですよ。「こうだったらいいな、面白いな」と思いながら周りの景色を観察してます。今でも思うことなんですけど、曲がり角を曲がったときに突然クジラが飛び出して来たらどうしようとか。でもそれって絶対楽しいと思うんですよ。

吉田 捕鯨しようぜ(笑)。

粟田 捕まえてもいいし、上に乗ってもいいし、一緒に泳いでもいいし。

吉田 食おうぜ(笑)。

粟田 食うんかい(笑)。でも今この空間でこんなことが起きたら面白いな、ワクワクするな、ということを勝手に妄想して「うひー!楽しい!」ってなります。

村上 空想好きが高じて今に至るって感じね。で、吉田はどうよ。

吉田 わたしは大喜利が好きなんです。特に連想ゲームですね。ある物事とある物事の共通点を見つけてつなげるのが楽しいのかも知れないです。

村上 大喜利が好きっていうのは、話しててすごくよく分かる。吉田は言葉遊びが好きだから、謎かけなんか得意なんじゃないかな。一つのお題に対して同時に二つの発想が瞬間的に出てくるっていうか。

吉田 確かに、絵が同時に二つ出てきますね。

村上 その絵をこう組み合わせたら面白くなるだろうというのが、理屈じゃなくて感覚で分かってるんだろうね。

吉田 小学生のときから「マザーグース」とか「世界のブラックジョーク集」とか好きでした。

粟田 わかる。卒制のキャプションも含めて、普段書いてる文章も、まるで歌ってるみたいな文章が多くて、ダジャレだったり韻を踏んでたりと、リズムと遊び心があるんですよね。

村上 自分の人生を決めるポートフォリオなのに物凄く遊びが満載だったしね。

吉田 ただ単にポートフォリオを作ってるのが楽しかったから、人生を決めるなんて意識もなかったけど。

村上 何事もすべて遊びに変えてしまうというのは二人に共通してるね。あんな緊張感一杯の合評でもプレッシャーを感じていないように見えるどころか、この状況すらもゲーム感覚で、地の底から笑いがこみ上げて楽しんでるように見える。

吉田 笑っていただけたのは良かったよね(笑)。

粟田 笑われてたんじゃなくて良かった(笑)。

村上 実はそこも気になってたんだけど、なんでいつも笑ってるの?(笑)

粟田吉田 (爆笑)

粟田 単に楽しいからだと思います。

村上 すごい苦境に立たされてるのに、それでもいつも笑ってるよね。

粟田 笑ってると落ち着くんですよ。

村上 メンタルは強い方だと思う?

粟田 いえ、全然。クソタコナメクジですよ。

村上 防御策としての笑顔ってこと?でもそれが刷り込まれて暗示がかかってるのかもね。

吉田 笑顔という名のドラッグですね。ていうか、笑ってると褒めてくれる人が多くなるんですよ、大学って。小岩先生(音楽プロデュースの先生)みたいに笑ってると周りを明るく楽しくさせますよね。

村上 あの人いつも笑ってるもんね。

吉田 就活の面接でも「キミ、全然緊張してないね。そんなにヘラヘラしてる人あんまりいないよ」て言われます。

村上 それくらい笑わなくなった人が増えてきたってことなんじゃないかな。「ポジティブになりなさい」という言葉が強制的で恐怖にしか感じられなくなってるような気がする。

吉田 確かに、強制されることが多いとしんどいですね。正直ほっといてくれって思います。

村上 うちの大学は学生の面倒見が良い方だと思うんだけど、あれってもしかして学生からしたらプレッシャーだったりするのかな。

粟田 そうは思わないです。「言われてるうちが花」って言いますけど、あれこれ注意されてるうちに直せるところは直しておこうと思いますし。

吉田 わたしは構ってもらえて嬉しいって思います。名前を呼ばれるだけで「わーい!」てなります(笑)。

村上 承認欲求が強いのかな?それとも単に寂しいだけ?

粟田 基本的に自分に自信がないから、誰かに何かを言ってもらえるのが嬉しいんですよ。

村上 褒めて伸びるタイプ?

粟田吉田 完全にそうですね(笑)。

zemi05.jpg
ビットサミット会場での吉田光希さん(中央)と粟田恭一朗君(右)

村上 ところで大学四年間で一番の思い出って何?

吉田 色々ありますね。7cmのヒール買って嬉しくて階段でスキップしたらそのまま落ちたとか、三木先生のパソコンにシャンメリーかけたとか、丹羽先生にうさ耳つけて写真撮ったり。

村上 そういうことじゃなくて…まあいいや。そもそも、どうしてこの大学に入ったの?

吉田 わたしの場合、初恋相手がソニックで、次に好きなのがクロノアで(笑)、とにかくゲームが好きで小学生のころからゲームを創る人になりたいと思ってたんです。でも中学の頃はソフトボールのピッチャーをやっていて、地元の淡路島で一位になってスポーツ推薦で高校に入ったんです。その頃はゲームで遊ぶ時間もなくて、絵も描けなくて。そんなときに大会とか周りの期待へのプレッシャーに耐え切れなくなって、突然イップスでボールが投げられなくなったんですね。もう怖くて怖くて。スポーツ推薦で入った高校なのにスポーツができなくなったから学校にも行けず、友達にも顔を合わせられなくなって半年間引きこもってしまいました。今となってはその鬱々とこもっていた時間が大事だったのかなとも思うんですけど、その時に久しぶりにソニックを引っ張り出して遊んでるうちに小学生のころの夢を思い出したんです。でもスポーツ推薦で入った高校にはもう戻りにくくて、親に頭を下げて通信制の高校に転校させてもらいました。週に三日通って、それ以外の時間はゲームをしたり他の人の絵を見たり、余裕をもって考え事をしてるうちに、ゲームの世界へ行きたいと再認識して、その時に社会の先生がこのキャラクタ―デザイン学科を勧めてくれました。ここならゲームのことが学べると教えてくれて。で、オープンキャンパスに行って出会ったのが村上先生でした。

村上 おーっと(笑)

吉田 色々話を聞いていただいて、やりたいこととか考えてることが一致して、あとは学生スタッフだった先輩たちがみんな元気で楽しそうで、とにかく対応が丁寧で、それでここに来たいと思ったんです。そのときデッサンを始めてまだ5か月くらいだったんですけど、他の高校生に比べて有り余ってる時間をどう使おうかと考えて色彩検定をとったりして過ごしてました。

粟田 やっぱ、みっちゃんすごいな!

吉田 大学に入ってゲームゼミに入れていただけたのも嬉しいんですけど、オープンキャンパスのスタッフに選んでいただけたのも凄く嬉しかったです。自分を救ってくれた場所に自分がいて、何となくわたしと同じ境遇の子がここに入ってきてくれたら嬉しいな、て思いながら高校生の相談を受けてました。そんな感じ!(笑)

山吉 ええ話やなー。

粟田 もう先生泣きそうやんか。

村上 いやー、これヤバいな(笑)。で、粟田は?

粟田 元々は他の芸大に行こうと思ってたんですよ。でも京都造形の人が高校で説明会をやってくれて、その後突然親に連れられて学校見学に行くことになりました。それが7月のことで、そのままAO入試のエントリーをしました。
実は絵がうまい人っていうのは特別な才能があると思ってたんです。でも友達のお姉ちゃんがとても絵がうまくて、こんな身近な人でも絵が描けるなら自分でもワンチャンいけるんじゃないかと(笑)。

吉田 ポジティブやな(笑)。

粟田 でも絵を描くということを共有できる友達もいなくて一人で絵を描いてるうちにこれがとても恥ずかしい行為なんじゃないかと思えてきたんですね。少なくとも男子で絵を描く人は周りには一人もいなかったから。だから隠れてこっそり描いてました。それで入試を受けたら、絵を描くことを恥ずかしくないと思う人がこんなにたくさんいる、と思って衝撃でした。
ただ高校時代は何か明確な理由があるわけでもなく何となく学校に行きたくなくなって、家でひきこもってた時期がありました。当時は朝が来るのが嫌でしたね。日が昇ると学校に行かなきゃいけないから。別にいじめられたわけでもなく、単に「なんで行かなきゃいけないんだろう」と思った時から急に行けなくなってしまいました。
本当にダメなやつで、「今頃みんな学校に行ってるんやろなー」とか言いながら家でヒルナンデス見て食べるご飯が世界一おいしかったです(笑)。

吉田 わかるわかる!!平日の昼間にマクド行って補導されたことあるけど(笑)。

粟田 それを家族からは「バカンス」と呼ばれて、ずる賢く欠席日数を計算して二学期から学校に行ってしれっと卒業しやがったと思われてます(笑)。当時の先生からも「あんたが卒業できると思ってなかったわ」とか言われて。でもやっぱり二学期から学校に通えるようになったのは、この大学があったからです。高校の卒業資格がないとせっかく合格したこの大学に行くことができなくなってしまうので、それで何が何でも頑張ろうと思いました。

吉田 こういうのって自分の中で勝手に気持ちが切り替わるものであって、誰かにアドバイスもらっても何ともならんもんな。

粟田 うん、そういう時はどんな凄い人にどんな名言を言われても全く何も響かんな。説得されればされるほど気持ちが離れていく。ほっといてくれとしか言いようがない。

吉田 でもこの引きこもりの経験がオープンキャンパススタッフとしての自分を優しくさせたな(笑)。どんな境遇の高校生が来ても全然大丈夫!

山吉 ええ話やなー。

村上 苦労した時期もあって、受賞もできて大手のゲーム会社に就職も決まって、本当に良かったね。やっぱり色んなことを乗り越えられたのって、ゲーム的な思考とか笑いの力なんだろうね。

粟田 それでもさすがに就活のときは気持ちの余裕が全くなくて、何社受けても落ちて…。企業の方に失礼のないようにしなきゃいけないとか、ここでヘマをすると来年この会社を受けようとする後輩にも迷惑がかかる、と考えてしんどくなりました。それでラストチャンスとして受けようと思った会社に対しては、村上先生から「無理にカッコ良い事を言おうとしないで、捨て身で楽しいと思えることを話して楽しんでこい」て言われて、その通りにしたら本当に受かりました。おりこうさんより楽しい人を採用しようとする傾向があるんですかね。

吉田 どうせなら全てを楽しんだ方が良いので、わたしは面接に行くときは必ず「ショートコント、面接」て心の中で言ってからドアをノックするようにしてました。そしたら面接中に起きる全てのことが楽しくなるんですよ。失敗しても後から笑いのネタにできるし。

村上 天才やな(笑)。

吉田 あとは就職試験を「出来の悪いギャルゲー」と呼ぶことにしてます。

村上・粟田・山吉 なんじゃそら(爆笑)

吉田 たまに「思わせぶりなこと言っといてその返し何なん!?」ていうコントみたいなやりとりがあって、多少理不尽なことを言われても仕様バグだと思うと笑えるので。

村上 その発想自体が面白い。苦境をゲームとして楽しもうとする姿勢が人生を明るくしてるように見えるね。次から次へと変なネタが飛び出してくるし。

吉田 ぶっちゃけ何も考えてないんで(笑)

村上 考えてなくてもこれだけ言葉が出てくるってことは地頭が良いんだろうね。勉強云々じゃなくて、生きる力があるというか、世渡りが上手いというか。因数分解はできるけど人の気持ちが分からないやつとか一杯いるからね。それよりはバカでいいから面白さについてちゃんと語れるやつの方が一緒に仕事をしたいと思う。
というわけで、かれこれ60分話したけど、まだまだ出てきそうだしキリがないのでこの辺で。

粟田吉田 まっだまだ話せることあるな(笑)。

村上 卒制も終わって、もうすぐ卒業となってしまうけど、これからも名作のゲームをたくさん生み出していって下さいな。今日はありがとう。

粟田吉田 ありがとうございました!
posted by ムラカミ at 23:10| ひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする